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ビートメイカーは「成功」だけを目指さなくても良い

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ビートメイカーにとって、成功することが全てじゃない。数字や肩書きの話をいったん横に置いて、「ビートを作る」という行為そのものにどれだけの意味があるかを、改めて見つめ直してみたい。

ビートを作り始めると、多かれ少なかれ数字が気になってくる。再生回数、フォロワー、売上、プレイリスト入り、著名ラッパーへの提供実績。タイムラインを開けば、どこかの誰かの「バズった話」や「音楽だけで食えてます宣言」が流れてきて、自分の立ち位置をつい比べてしまう。気づけば、DAWを立ち上げる前から「これでバズるか?」を考え始めていて、キック一発選ぶ段階でさえ、純粋なワクワクよりも不安の方が勝っていたりする。

そもそも「成功」とは何なのか。よくあるイメージは、音楽で生活費を全部まかなうことや、再生回数が何十万、何百万を超えることや、有名アーティストの作品クレジットに自分の名前が載ることだろう。それを目標にするのは悪くないし、実際そこに向かうための戦略や行動が必要なことも事実だ。ただ、その物差しだけで世界を見てしまうと、ほとんどのビートメイカーは永遠に「まだ届いてない側」として扱われ続ける。キャリアの段階、生活環境、抱えている責任の重さによって、現実的に目指せるラインは大きく変わるのに、その違いはあまり語られない。

一方で、数字には一切映らない価値もある。毎日のどこかでDAWを開き、音を並べて形にしていく時間は、それ自体が生活のリズムになる。言葉にしにくいモヤモヤや苛立ち、うまくいかない現実への違和感を、そのままドラムパターンや不協和なコード進行に落とし込めるだけで、少し呼吸がしやすくなることがある。誰に見せなくても、誰に聴かれなくても、「自分には音でしか出せない感情がある」と思えるだけで、世界との距離感が微妙に変わる。

ここで混同しがちなのが、「ビートで食えるかどうか」と「ビートを続けるかどうか」という二つの問題だ。前者はビジネスの問題で、マーケティング、ブランディング、人脈、運、タイミングなど、音そのもの以外の要素がごっそり絡んでくる。後者はライフワークの問題で、「どれだけ好きでいられるか」「他の優先事項とのバランスをどう取るか」に近い。ビートで収入を得たいなら、当然

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プロフィール
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1982年生まれ、日本人のビートメイカー・音楽プロデューサー。実験的なヒップホップビートを制作。Genx Recordsのオーナー。国際的な環境で育ったため英語が話せる。趣味は筋トレ、アートワーク制作、ウェブサイトカスタマイズ、Web3。韓国が大好き。

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