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ビートメイカーが「誰もやっていないこと」をやる理由

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今のビートシーンって、とにかく供給が多い。Type Beatで検索すれば、同じBPM、同じドラムパターン、似たコード進行のトラックが無限に出てくる。これは悪いことじゃなくて、需要があるからこそ成立してるし、ビジネスとしてはむしろ合理的。でも、その中で「自分の音」がちゃんと認識されるかっていうと、話は別になる。

再生されることと、記憶に残ることは違う。

例えば、1000回再生されても「あの人のビート良かったよね」と名前が出てこなければ、それは消費されただけで終わる可能性が高い。逆に、再生数が少なくても「あの変なドラムの人」「あの空気感の人」として覚えられれば、それは資産になる。

だから「誰もやっていないこと」をやる意味が出てくる。

ここで重要なのは、「奇抜さ」そのものが目的じゃないってこと。意味不明なことをやるだけなら誰でもできる。でも、それが“自分の感覚として自然かどうか”が分かれ道になる。流行と逆をやるのも、音を汚すのも、構成を崩すのも、全部「自分の中で気持ちいいか」が基準じゃないと、ただのノイズで終わる。

結局、オリジナリティって選択の積み重ねでしかない。

・キックをどこに置くか
・スネアをどれだけズラすか
・あえて外したコードを選ぶか
・ミックスでどこまで潰すか
・無音をどれくらい残すか

こういう細かい判断のクセが積み上がって、「その人の音」になる。テンプレをなぞっている限り、このクセは育たない。

そしてもう一つ厄介なのが、「最初は理解されない」という現実。

新しい音って、大体ダサいって言われる。というより、判断基準がまだ無いから評価できないだけ。リスナーもアーティストも、人は基本的に“知ってるもの”を良いと感じやすいから、未知のものには抵抗がある。

ここで折れるかどうかが分かれ目になる。

孤独なのは事実。でも、その期間は無駄じゃない。むしろその間にしか、自分の感覚を深掘りできない。誰にも寄せていない状態で試行錯誤した時間は、そのまま“再現できないニュアンス”として残る。

面白いのは、後から似たものが増えてくること。

最初は「変」と言われていた要素が、あるタイミングで「アリ」になる。そこからフォロワーが増えて、気づいたら一つのスタイルになる。でも、その時にはもう“最初にやっていた人”と“後から真似した人”の間には埋められない差ができている。

その差はスキルじゃなくて、

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プロフィール
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1982年生まれ、日本人のビートメイカー・音楽プロデューサー。実験的なヒップホップビートを制作。Genx Recordsのオーナー。国際的な環境で育ったため英語が話せる。趣味は筋トレ、アートワーク制作、ウェブサイトカスタマイズ、Web3。韓国が大好き。

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